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第五回 国際有機農業映画祭② セヴァンの願い

前回書いてからずいぶん時間がたってしまいました。

師走はやっぱり忙しいですね

思い出しながら映画祭の続きを。

 

オープニング上映は『セヴァンの地球のなおし方』でした。

以下引用--------------------------------------------------

セヴァンの地球のなおし方

 2010年/フランス/115分 英語・仏語・日本語・日本語字幕
 監督:ジャン=ポール・ジョー

地球のなおし方 1992年の地球サミットで、「どうやってなおすか分からないものを、壊し続けるのはやめて」と12歳のセヴァン・スズキは訴えた。19年後の今、母となるセヴァンは、「子どもの未来を守るために、生き方をかえなくては」と語り続ける。地球の悲鳴を肌で感じる日本、フランスの人々を紹介し、経済優先の社会に警鐘を鳴らす。
【お薦め】農薬、化学物質、乱開発、食品添加物、そして放射能……地球はいまも壊され続け、私たちの命も脅かされ続けており、環境は悪化の一途をたどっている。それでも活動をやめないセヴァンがいて、日本で、フランスで、健やかな命を育む「食」をつくり続ける人たちがいる。絶望しない、あきらめない、自分にできることをやり続ける。その先に希望が見えてくる。(中村易世)

以上引用----------------------------------------------------

12歳のセヴァンの存在感に圧倒されました。

まっすぐに、まっとうなことを堂々と語るセヴァンに感銘を受けた人は多かったようです。

この映画の監督もセヴァンに触発されて、この映画を作ったのですから。

日本、フランス両国の持続可能な農業、生き方を模索する人々が出てきますが、グローバル化された現代では、その取り組み自体が非常な困難にさらされていることも再確認させられました。

福井で登場した牛の飼料に、中国産の遺伝子組み換え作物が含まれており、フランスの基準では、この牛肉はオーガニックとは認められないとのこと。

これからTPPに参加することになれば、こういった事態は加速するでしょう。

本当はローカルな生き方を目指すべきと感じる人が増えてきたと、これまで直接・間接的に接してきた情報からは言えると思います。

持続可能な未来を考えれば当然のことです。

そのことの困難さを皮肉にも知らされたのですが、しかし、有機的な生き方を志向する人たちの力強さに希望ももちました。

 

そして次にこの日印象に残ったのは『祝の島』。

以下引用------------------------------------------------------

祝の島 2010年/日本/105分 日本語
 監督:纐纈あや 制作:ポレポレタイムス

祝の島 瀬戸内海に浮かぶ山口県祝島。豊穣な海の恵みに支えられ、代々共同体としての結びつきが育まれてきた。1982年、島の4キロ先に原発建設計画が持ち上がる。「海と山さえあれば生きていける。わしらの代で海は売れん」と島人は反対を続ける。千年先の未来を思うとき、私たちは何を選ぶのか。祝島のいのちをつなぐ暮らしを描く。
【お薦め】近所の人と大きな炬燵を囲んで、島の夜は更けていく。決して話が弾むわけではない。その人たちが、中国電力と粘り強く対峙する。一歩も引かずに島を守り、海を守る。「日常」を暮らすことで、そこに生きた人々の思いを守る。私たちは日常を奪われた人々をこれ以上出してはならない。(笠原眞弓)

引用以上-------------------------------------------------------

もう30年近く原発反対の運動を続けてきた祝島の人たち。

その多くはもうおじいさん、おばあさんです。

しかし、毎週月曜日はみんなで集まって島の中をデモ行進。

電力会社が実力行使して工事を始めようとすれば、漁船を出して阻止。

おばちゃんたちのシュプレヒコールは痛快です。

賛成派・反対派に島民が割れて、みんなが傷ついてきたこともうかがわれます。

しかし、一人暮らしになったおじいちゃん・おばあちゃんたちが近所の家に集まって毎夜、お茶を飲み、大みそかも共に過ごす。

年に一度の古式ゆかしいお祭りも島民総出で行われる。

この島の人たちの絆、つながりが今も残っていることに、そして昔ながらの自給自足的な暮らしが残っていることに、とても感銘を受けました。

このことと、原発反対運動を続けてきたことは無関係ではないと思います。

むしろ、この自然を守ろうとする志が地域の人たちを固い絆で結びつけてきたのではないかと思えました。

祝島の風景は、自然も人も、動物でさえも幸せそうで、とても癒されました。

こののどかな風景が続きますようにと祈らずにいられません。

この映画の最後で、この島のただ一人の女漁師の民子さんが語った、

「この自然を先祖が残してくれたおかげで私たちは生活してこれた。このきれいな海を子や孫のために何とか残してやりたい。その一念で反対運動をしている」

という言葉がとても印象に残りました。

だって、それは12歳のセヴァンがサミットの演壇で訴えた言葉、

「どうやってなおすか分からないものを、壊し続けるのはやめて」

に、見事にこたえた姿だったから。

不幸中の幸いと言ってもいいのかどうか、上関原発建設は本当に間一髪のところで福島の事故が起こり、断念されました。

反対運動は、多くの犠牲の上にではありましたが、実を結んだのです。

体を張って建設を阻止してきた祝島のおじちゃん・おばちゃんたちに敬意を表します。

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